少し報告が遅くなりましたが、フェアトレード・コンシェルジュ講座第2回目を開催いたしました。今回の講師は、私が6年前に講座を始めた時からお世話になっている、NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン(FLJ)の事務局長、中島佳織さんにお越しいただきました。フェアトレード・ラベル・ジャパンは、日本国内のフェアトレード製品の審査や、フェアトレード認証ラベルのライセンス事業、またフェアトレードの普及啓発活動を行うNPO法人です。きっと皆さんの中にもフェアトレード認証ラベルを見たことがあるという方が多いと思います。

 私たちが日頃消費をするものの中には、途上国で作られているものが実はとても多く存在しているのを知っていますか?例えば、皆さんが毎日身につける洋服。その洋服の原料となるコットン。また、コーヒーや紅茶も途上国で作られていることが多いですし、チョコレートの原料となるカカオや、面白いものでいえばサッカーボールも途上国で作られています。途上国の原料や製品を適正な価格で購入することによって、立場の弱い途上国の生産者の生活改善と自立を支援する貿易の仕組みのことを「フェアトレード」と言います。

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 そもそもフェアトレードを推進していかなくてはいけないこの社会には、アンフェアなことが溢れています。環境問題はもちろん、人権問題、貧困問題などなど。これらの問題を包括的に解決していくひとつの有効な手段が「フェアトレード」であると私は考えています。中島さんは途上国での生産の現場、サプライチェーンには、児童労働をはじめ、労働搾取、環境汚染、生物多様性の損失といった深刻な問題が潜んでいると話してくださいました。

 現在、フェアトレードが日本に入ってきて、28年近く経っています。NPOやNGO、企業の地道な活動のおかげで、だいぶ浸透してきたといえるでしょう。フェアトレードの認証ラベルを持った製品を販売する日本企業も増えてきました。イオンや森永製菓、co-op、SEIYU、S&Bなどなど。国内市場や去年100億円に達しましたが、海外、特にイギリスと比べるとその30分の1です。

 モノを作っていない会社でも、実はフェアトレードには取り組めます。例えば社内消費。来客者や社員が飲むコーヒーをフェアトレードのコーヒーに切り替えたり、株主総会のお土産をフェアトレードにしたり、社員食堂にフェアトレードの食材を取り入れたり・・・それぞれがやれることはたくさんあるのです。これはスモールスタートしやすく、今すでに行っていることを切り替えるだけで実現できることが魅力的です。

 フェアトレードを広めるために何が一番有効か。私は行政・企業・教育機関・市民が一体となって推進していくことが一番だと思っています。この好例がフェアトレードタウン運動。世界では27カ国・1802の自治体がフェアトレードタウンの認証を持っています。アジアで初めてのフェアトレードタウンは2011年に認定された熊本市です。次いで去年の9月に名古屋市がタウンに認定。逗子市は市長が今年4月に宣言をしたので、おそらく今年の夏にはフェアトレードタウンになるだろうと言われています。フェアトレードタウン運動は町ぐるみでフェアトレードを推進していく動きで、行政が積極的に動き、町の企業や教育機関、市民が力を合わせないと実現しません。今後、フェアトレードタウンはもっともっと日本でも増えていくでしょう。

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 2020年の東京オリンピック・パラリンピックを契機に、持続可能性に配慮した調達への転換が求められるでしょう。実際に東京オリンピック・パラリンピック委員会は「倫理的調達コード」を掲げており、これに基づいた行動が実現されるべきです。

 世界ではフェアトレードの新しい動きがたくさんあります。オランダのユーロ紙幣は2007年よりフェアトレード認証コットンが使用されています。制服業界でもフェアトレード認証コットンの採用の動きがあります。ロンドンの地下鉄のユニフォームやオーストラリアのある学校の制服など、フェアトレード認証の原材料を使う幅が広がってきています。

 中島さんのお話を伺って、日本ももっと進めていかなくては、という思いも湧いてきましたが、それはやはり1人の消費者がいくら頑張っても進まない、ということです。行政・企業・教育機関・市民みんなが社会をよりよくするために、フェアトレードやエシカルを推進していくことがとても重要だと感じました。今回も大勢の方に真剣に学んでいただき、講座後は中島さんに質問を聴く長蛇の列ができました。これからも連続講座だけでなく、ひとりでも多くの方が学べるような機会を作っていきたいと強く感じました。次の回はオーガニック&フェアトレードのスパイスや紅茶を販売する株式会社エヌ・ハーベスト代表の鈴木裕さんにお越しいただき、カレーやチャイを作っていただきながら学びます!

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