皆さん、こんにちは。
エシカル協会代表理事の末吉里花です。
今日は「エシカル」について私が最近思うことを長々と書いたので、お時間ある方にはぜひ読んでいただきたいと思います。

昨日は(7月5日)ヒューマンライツ・ナウ伊藤事務局長の新刊「ファストファッションはなぜ安い」の出版記念イベントが行われました。満員御礼、たくさんの方にお越しいただきまして、心より感謝申し上げます。こちらの本はヒューマンライツ・ナウの方たちが長年にわたり現地で調査をしたデータを基に書かれているので、とても説得力があります。彼らの地道な調査によって、大手企業が確実に良い方向に変わっていっているのを知り、こうしたNPOが持つ力というのはとても大きいということを実感できました。みなさん、ぜひ本を手にとってみてください。

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昨日は私にとっても学びの多い時間となりました。質疑応答では、「エシカルは主観的なものだし、人それぞれ何がフェアと感じるかも違う。どうやってそんな主観的なものを広めていくのか?」や「エシカルという言葉だけ先行するのは危険だ」、「エシカルウォッシュのようなことが起きる不安はないのか?」などど厳しい質問・意見を受けました。どの意見も私は共感できます。こうした質問を受けたのは初めてではありませんが、自分の中でもどんな答えを伝えればいいか、いつも悩みます。もしかしたら明確な答えを出すことができないかもしれません。でもこのような質問・意見をいただけることは、エシカルを推進していく上でとても大切で掛け替えのないことでありがたいことです。

私が伝えたいのは、エシカルの概念・価値観は良心に適うことであり、その良心というのはおそらく宗教や人種を超えても人間であれば共通するものがあると思います。明らかに環境を破壊しながら作られているもの、明らかに児童労働によって作られているもの、明らかに生産者の健康を害して作られているもの、明からに動植物を傷みつけながら作られているもの、そういった背景を知った時、人間はどういう選択をするのか、ということだと思います。きっとほとんどの人がそういうものは買わない、という選択をするであろうと信じています。そう信じたいです。つまり、エシカルでないこと、アンエシカルなことはしない、ということがエシカルの基本であるのではないかと思うのです。古くの日本人には「御天道様が見ているから、誰も見ていなくても悪いことはしない」という考え方があります。そういった良心を意識しながら日々の生活をするべきだと思います。でも、これを個人が実行するには、企業が情報開示をすることがマストです。企業がサプライチェーンをできるだけ私たちに開示してくれないことには、私たちは判断できません。開示してくれても、その情報が嘘であれば、なおさら私たちは混乱します。なので、エシカルな世の中にしていくためには、私たち市民も、企業も、行政も、教育機関も、NPOやNGOなどといった団体もみんながそれぞれの部分でできる役割をやって初めて実現できていくものだと思います。

日本の哲学者の加藤尚武先生は環境倫理について積極的に発言されていますが、倫理的態度というのは「与えられた条件の中で可能な行為の中から、最善のものを選択する態度」と定義されています。私たちは日々より良い選択をする責任があると思います。

私たちは色々な意味で、もうこの地球に生きていくことができなくなってしまうほど地球的境界、精神的境界にきていると思います。何もせずに今のような暮らしを、この地球上でできると思っていては間違いだと思います。私たちがより良い未来を作っていくためにも、エシカルは主観的なものだから難しい、と考えるよりは、まずはそれぞれが気になったり、興味を持ったりする分野で行動に移してみるのがいいと思います。そしてその価値観をそれぞれの形で伝えていってもらえればいいのではと思います。言葉はみんなにわかりやすく伝えたり、まとめたりするのに必要ですが、重要なのは言葉云々より、どんな世界を目指したいか、作りたいかです。私たちの声や行動は必ず未来を変える力を持っているのです。

エシカルという言葉を使わないでも、みんなが安心して健康に平和に暮らせる世の中が100年後かその先にやってくることを願っています。これからも様々な質問・意見をいただきながら前進していきたいです。よろしくお願いいたします。