フェアトレード・コンシェルジュ講座第4回目を開催しました。今回の講師は、私が以前から尊敬してやまない女性、andu amet代表の鮫島弘子さんです。鮫島さんはたった一人で「世界に通用するバッグブランド」をエチオピアで立ち上げました。andu ametのバッグの革は、エチオピアでしかとれない羊の極上レザー。それをエチオピアの職人たちと一緒に丁寧にひとつひとつ手作りをしています。そのクオリティとデザイン力の高さが人気を呼び、andu ametはラグジュアリーバッグとして位置付けられています。鮫島さんは年の半分以上はエチオピアで暮らしながら、職人たちと日々バッグを作っています。鮫島さんはエチオピアの人や文化、歴史、自然が持つ素晴らしさや魅力を商品にのせて日本の方たちに届けたい、と話していました。これはまさに、前回の講師を務めてくださったエヌハーベスト代表の鈴木さんと同じ思いです。彼女のその熱い思いを以下にまとめたので、ぜひご一読ください。

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 andu ametはエチオピアのリソースとカラーセンス、日本の技術とデザインを融合させたレザーバッグのブランドです。エチオピアの最高級シープスキンを使い、エチオピアの職人が現地で生産しています。

 毛皮が嫌いなアンチファーの人もいると思うんですが、andu ametで作られるバッグは全て食肉用の皮を使用しています。食べたら産業廃棄物として、下手したら廃棄されるようなものを余すところなく使っています。

 私は「かわいそうな人を助けよう」という考え方はフェアトレードとは少し違うと思っています。andu ametはフェアトレードフェアなどでは一度も出店したことがないんです。フェアトレードだから、アフリカではなくて、皆んなが欲しいと思うものをハイブランドとして販売していきたい。アフリカ発の高級ブランドとして、生産者とユーザーさんが幸せになるような製品を作りたいです。

 それでは、どうやって幸せを達成するのか。そこには3つの秘密があります。

 一つ目はマテリアル。

 鉛筆で刺しても穴があかないぐらい強いことがこの皮の特徴です。こんな素晴らしい素材があるのにエチオピアにはお金が落ちないのが、なんて持ったいないんだろうと思いました。ふわりと柔らかくて、赤ちゃんのほっぺのようなしっとりとした不思議な感触。andu ametのバッグの値段は安くないと思うんですが、この価格帯でこれだけ贅沢にこの皮を使っている製品は他にはありません。

 2つ目はデザイン。

 見てるだけでも元気になるようなカラーリング。私はいつも美しい自然など、エチオピアにいてすごいたくさんの元気をもらっています。そのようなパワーをこめたいなと思っています。見ただけで幸せになるようなデザインを意識して作っています。

 3つ目はプロセス。

 企画、素材調達、製造、販売。その全てのプロセスで環境に配慮しています。企画では、皮工場では間違いなく捨てているような細かい端切れを使っています。捨てざるを得ない部分もあるんですが、一般的には使わない部分をデコレーションに使うことで余すところなく皮を使っています。

 調達では、現地の大きな工場から調達しています。工場で皮をなめすときにはクロムという薬品を使わなければなりません。そのため、先進国ではウォータートリートメントシステムを完備することが義務付けられている。そういったものが途上国では完備されていないことがあります。法律では実はあるんですが、どの工場でも動いていない。クロムがそのまま廃棄されてしまっています。andu ametでは、工場に必ず行ってウォータトリートメントシステムが動いていることを確認してから、工場から購入しています。実際に自分で行ったときに、児童労働などが行われていないかなどをきちんと確認しています。それが大事だと思っています。

 1年に1度ぐらい確認して、それだけでフェアトレード認証をとってしまう企業もいるのですが、どうかなと思います。消費者の方も厳しい目で見るべきだと思います。そういうことがエシカルファッションやフェアトレードシーンをよくしていくと思うんです。

 製造では、本当に高い技術が必要で、一朝一夕では習得できないんですが、職人さんがしっかりと習得できるようにしています。2、3年でODAで技術を教えても、プロジェクトが終わったら道具も何もなくなって、無駄になってしまうプロジェクトをたくさん見てきました。

 たくさんたくさん作って、早く早く売ってっていうのが今のファッションのトレンドになってしまっているんですが、それは誰にとっても幸せじゃないと思うんです。3ヶ月後に価値がなくなる製品は消費者もハッピーじゃないし、廃棄が多くなる企業にとってもハッピーじゃない。

 私たちが作るバッグは5、10年使ってもらいたいと思っています。長く使ってくださいねっていうだけではダメで、いいものを作って、長く作ってもらう。永久修理制度っていうブランドはほとんどないと思うんですが、何年経っても修理を受け付けています。

 作る人はもちろん、使う人、送る人も送られる人も幸せになることがandu ametのコンセプトです。

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 以上が鮫島さんの言葉です。本当に素敵なandu ametのカバンとその背景のストーリーがひとりでも多くの方に届くと嬉しいです。