フェアトレード・コンシェルジュ講座第5回目は、ファッションジャーナリストで、いまや“エシカル”ファッションをリードする第一人者である生駒芳子さんを講師としてお招きしました。当日は急遽参加を希望なさったたくさんの方たちが集まり、大変な熱気の中、講義が行われました。

 生駒さんは元マリークレールの編集長。まさに「プラダを着た悪魔」の世界でずっと仕事をなさってきた方で、ファッション界の最前線でご活躍されていました。そんな生駒さんは、2000年を過ぎたころから温暖化などによる気候の変化を感じ始め、サイクルが早いファッション業界のあり方に疑問を抱き始めました。ちょうどその時期に出会ったのがフェアトレードやエシカルエシカルという新しい価値観だったそうです。生駒さんは「エシカル」という価値観を「新しいラグジュアリー」として捉えました。エシカルこそラグジュアリーであると。そこから生駒さんの“エシカル”ファッションジャーナリストとしての新たな道が始まります。

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 生駒さんいわく、今やファッション業界の主役は、デザイナーから消費者に移り変わった、とのこと。デザイナーの影響が大きかったのは20世紀までで、以前は撮影が禁止だったパリコレも来場者にSNSで発信することを促す演出を行うことで、消費者がファッションの流行を決め、ファッションは流行を追う「トレンド」から自分に似合う「スタイル」に変化していったそうです。つまり消費者が力を持つ時代に入ったということ。

 また、ラグジュラリーブランドも次々とエシカルな方向に変わってきていることを指摘されました。2005年には、ルイヴィトンは全社をあげて環境保護宣言しました。エルメスは商品を作る際に出てしまう残布や廃棄されてしまうものをすべて集めて、そこから新しい製品を作り出し、「プティ・アッシュ」というブランドを立ち上げました。このように力とお金を持ったラジュグアリーブランドも、地球の資源は無限ではないことに気づき、行動に移し始めています。

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 生駒さんのもうひとつの大きな活動に「未来」の伝統工芸を作ることで日本を生まれ変わらせるプロジェクト「WAO」があります。日本の様々な伝統工芸の現場を訪れて、その素晴らしさに心を打たれ、『日本からルイヴィトンやシャネルのようなブランドを出したい』という思いで伝統工芸の見直しをしながら、新しい工芸品を次々とプロデュースなさっています。ルイヴィトンとコラボした輪島塗りやバカラとコラボした茶器、漆塗りのネックレスなどなど、どれも本当に素敵なものばかり。

 生駒さんのお話の中で非常に面白かったのは「今とても注目されている伝統工芸の職人たちは皆、あることが共通している。それは皆さん、何かを捨てていることです。捨てられることは捨てる。当然一番大切なことは守っていく。皆さん、新しいチャレンジを恐れずやっていることです」という言葉です。実は今、伝統工芸の職人が減っていく中、20代、30代の女性職人は急増中だそうで、もしかしたら伝統工芸の世界はこうした若い女性が救うかもしれないそうです。
 
 「エシカルはまだみんな手探り状態です。エシカルを普及させるためにはデザイン力と文化力がとても大切であり、エシカルをリードしていくためには建築家やアーティストの力も必要不可欠。伝統工芸のように何百年も長く続く文化は日本の他にないので、地球が不安定になっている今こそ文化力で繋がる必要がある」生駒さんは力強くこう語ってくださいました。

 「エシカルは一過性のトレンドではなく、より人間らしい社会を形成するためのルネッサンス運動、哲学的命題、ライフスタイルのことです」。生駒さんはエシカルをこう定義づけられました。今回の講座を聞いて、参加された皆さんが口を揃えて「目からウロコの講座でした!」と興奮されていました。きっと今までにはない、新しいエシカルの魅力を感じとってくださったと思います。

 ちなみに、生駒さんは、これからはエシカルな価値観を持った男性「エシカル・ハンサム」が持てる時代が来る!と明言されました!「エシカル・ハンサム」はもちろんエシカルな女子たちが増えるためにも、協会としてもより頑張っていかねば!と背中を押されました。

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 次回の講座はアフリカからエシカルなバラを日本で輸入・販売をされている萩生田愛さんに講師としてお越しいただきます!こちらもお楽しみに。