みなさまこんにちは、桑原です。

いよいよ晩秋、紅葉が綺麗な季節も終わりを迎え、寒〜い冬がやってきます。皆さん準備は万全でしょうか?
そうそう、先日、WWFの雑誌で紅葉に関する記事を読んでいて興味深いコラムを見つけたのでご紹介します。紅葉を終えた落ち葉は雨水によってカビが生え、柔らかくなったところから虫に食べられ、分解され糞になり、さらに微生物によって分解され、土の栄養分として生まれ変わるのだそうです。最終的に土へと姿を変えた落ち葉は養分として根から木に吸収されて行くそうです。自然は循環型社会のお手本ですね。この循環を守るために落ち葉はゴミとして焼却するのではなく、そっと土に返してあげるのが良いそうです。

さて、前置きが少々長くなってしまいましたが、第六回の講座ではNPO法人アニマルライツセンターの代表理事である岡田千尋さんにお越し頂き、「エシカル消費と動物への配慮」についてお話いただきました。

アニマルライツセンターは、1987年に、動物権利に関連する様々な問題を扱いたいと願うメンバーが集まり、東京神奈川を中心とした地域から活動を開始しました。
犬猫等の伴侶動物(ペット)の問題、人間の医薬や食品のためとして行われている動物実験の問題、食べ物にされる畜産動物の問題、衣類のために殺される毛皮や皮革の問題、人間の娯楽のために使役される動物園や水族館の問題など、主には人間の支配下に置かれている動物の現状を変えたいと願い、活動を続けています。

前回の講座では生産の背景にいる労働者の人権について衝撃的な実態を知ることができましたが、それと同じように動物への配慮はどの程度されていて、私たち消費者は消費を通じてどのような取り組みをすることができるのでしょうか。

まず、アニマルライツとは動物がその動物らしくいられる権利のことで、人間が動物を管理・利用することを前提にするのではなく、動物本来の生態・欲求・行動を尊重することをいいます。

しかし残念なことに日本では、動物本来の習性や行動を無視したいい加減な飼育がされていることが多いようです。例えば、とある動物園のチンパンジーの檻は10畳ほどのコンクリート敷き。そこには特別な楽しみもなく、中にはタイヤが一つぶら下がっているだけの非常に簡素なものです。

本来、チンパンジーの生態は人間と近似する部分が多くあります。20〜100匹ほどの集団で生活し、その中には階級社会があります。仲の良いグループを作ったり、時には駆け引きをしたり、感情表現も人間と同じくらい豊かです。また、長期の戦争までしてしまうといった残酷な一面もあり本当に多様な習性を見せる動物なのだそうです。

しかし動物園では自由が制限され、何もない牢屋のような檻の中で一生を過ごします。これについてアニマルライツセンターは動物園側にチンパンジーの飼育改善を訴えましたが、聞き入れられることはなく、結局28歳で亡くなってしまったそうです。通常チンパンジーの寿命は40〜50歳と言われています。

このように人権と比べると動物の自由は奪われやすく、無意識ながら本来の姿を制限してしまっているということも多いような気がします。本来、動物は移動しながら水と餌を求めて探索し、危険から身を守り、狩りをし、パートナーを見つけ、子どもをつくるものですが、動物園ではそれらが全てが正反対で、孤独と退屈に見舞われ、動物たちは精神的に追い詰められてしまいます。

海外では引退したゾウの多くはサンクチュアリと呼ばれる擬似自然保護区に引き渡されることがありますが、日本の動物園のゾウと比べると全く異なる行動や表情を見せるのだそうです。

アニマルライツセンターには「日本の動物園の動物は虐待されている」といった海外からの問い合わせが多いそうですが、動物を保護する法律がないわけではありません。

動物愛護及び管理に関する法律というものが定められており、動物の習性に配慮して、健康及び安全を保持できる適切な飼養をするように努められていなければならないのですが、現実にはほとんど守られておらず実効性のない法律になっているのだそうです。

こうした飼育のあり方は動物本来の姿を否定しているだけでなく、教育的にも不適切で「弱者を閉じ込めて良い、弱者を支配して良い」というメッセージを発信しかねません。

実際に山から動物が降りてきたり、動物園から動物が脱走したことがニュースで取り上げられる際に、動物が自然の状態でいることに対して恐怖を覚えたり、報道の様子からしても、人間と動物の共存はすでに困難なのでしょう。

また、食の世界にも動物は存在します。それが私たちが普段口にする畜産物です。
動物園のアニマルライツが守られなければならないのであれば、畜産動物も同じです。

畜産に関わる動物は主に牛豚鶏ですが、彼らは搬送するために投げつけられたり、足蹴にされたりと乱暴な扱いを受けているようです。何箇所も骨折してしまうため、採卵鶏の骨はゴツゴツしているそうです。人間の骨が骨折するとそこだけ太く強くなるのと同じです。World Animal Protectionによると、畜産における日本の動物福祉レベルはCランクの中国よりも低いDランクの認定を受けています。

今回の講座で一番注目を浴びたのが、鶏のバタリーケージではないでしょうか。
採卵鶏はバタリーケージと呼ばれるiPad一枚分の狭い檻に収容されており、毎日餌を食べ、卵を産み、まるで機械のように扱われています。鶏は通常であれば羽や皮膚についた寄生虫を落とすために砂浴びをしますが、バタリーケージでは体を消毒するために殺虫剤(農薬)がびしょびしょになるまで散布されます、屠殺のための輸送の際には乱暴に扱われ、処理される際には生きたまま首を切られてしまいます。バタリーケージでは病気になった鶏や死んでしまった鶏が放置されていることも少なくないそうです。上層からは糞尿が降り注ぎ、体が汚れてしまうこともあります。日本はアニマルウェルフェアにおいて、後進国とも言えるのではないでしょうか。

海外の大手企業からは採卵鶏をケージフリーで飼養する宣言がされており、スーパーマーケットでも棚分けがされています。特にヨーロッパの消費者は畜産動物の福祉的な飼育を求めている消費者が多く、ケージ卵よりも放牧卵の方が早く売り切れることもあるそうです。

海外の畜産業界ではアニマルウェルフェアを高める活動が推進されてると同時に畜産物の生産を抑えるための取り組みも始まっています。学校でもヴィーガンメニューがほとんど採用されていますが、最近ではヴィーガン専用のコーナーやカフェも続々と誕生しており、ヴィーガンフレンドリーな学校が急増しているそうです。

日本の私たちが消費者としてできることは、平飼いされた鶏卵を選ぶことや、動物福祉に対して疑問を投げかけること、そして人に伝えていくことではないでしょうか。個人でできることは小さくとも、そのアクションが少しでも社会や企業の意識を変えていくはずです。

さて、次回の講座では国際環境NGO 350.org JAPAN 代表である古野真さんにお越しいただき、「エシカル金融と地球温暖化」についてお話いただく予定になっています。これまでは消費者として買い物の選択について見てきましたが、今度は金融?お金の預け方でどんな影響があるのでしょうか。

どんな話が聞けるのか、僕も今から楽しみです!
では!

次回の講座
12月5日(火) 「エシカル金融と地球温暖化」
古野真さん(国際環境NGO 350.org JAPAN 代表)

【開催場所】
オーセンティックワークス セミナールームABC
東京都新宿区四谷2-11 アシストビル5階
・東京メトロ 四谷三丁目駅より徒歩5分
・JR、東京メトロ 四谷駅より徒歩7分

それでは皆様とお会いできること楽しみにしております!

桑原