こんにちは、桑原です。
クリスマスはいかほどにお過ごしになったのでしょうか。僕は熱々なカップルを横目に男友達とラーメン屋に行き、そのあと仲間と20kmのジョギングをするという地球温暖化も顔負けの熱々な夜を過ごしていました。
冗談はさておき、今年も残すところあとわずかとなりました。寒さもますます厳しくなることが予想できますので、お身体には十分お気をつけになり良き新年を迎えましょう!

さて、第七回の講座では起業家で株式会社HASUNA代表である白木夏子さんにお越し頂き、「世界を変える、エシカルなブランドビジネス」についてお話いただきました。

HASUNAは日本初のエシカルジュエリーブランドでエシカルやフェアトレードなど、人々や自然環境に配慮しながら素材を調達し、時代が変わっても愛され続ける普遍的な美しさを追求したこだわりの製品づくりをしています。

そんなHASUNAは来年2018年4月に創業10年目に突入しますが、創業当時は現在のように何から何まで揃っていたわけではなく、白木さんご本人が買い付けからデザイン、営業からカスタマーサービスまでの全てをこなしていたそうです。今回の講座ではHASUNAのジュエリーの魅力のほかに、起業家として自身の生い立ちや起業話までご紹介いただきました。

「HASUNAのジュエリー」
HASUNAの販売するいくつかのリング、ピアス、ネックレスには水晶が使われています。これらの原石はパキスタンの山奥で生活する民族によって採掘されています。映画アバターのような壮大な風景の写真が印象に残っている方も多いと思いますが、ここで問題になっていることが採掘される水晶の約9割がアフガニスタンや中国に密輸されているということです。買い叩きも発生しているようで、そこで生計する人々を貧困状態に陥れている現状がありました。

この問題を解決するために水晶の原石を公正な価格で取引し、宝石研磨の教育も行うNGO団体があるそうですが、HASUNAはそこから宝石を買い付ける事で、エシカルなジュエリーを生み出しています。つまりこのジュエリーが販売されればされるほど、現地の生活者を支援できるという事です。

輪っかの部分に牛のツノがあしらわれたピアスのストーリーも素敵です。それは日本のガラス作家とのコラボレーションによって作られた作品で、牛の角はルワンダから来ています。ルワンダは内陸国で海がないのでタンパク源に牛肉が食べられているのですが、副産物である牛のツノは毎回大量廃棄されていました。現在はとあるNGO団体によってこのツノが回収されており、ストリートチルドレンだった子ども達に加工品や工芸品を作るための技術者教育支援とそれによる雇用を生み出しています。HASUNAはここからツノの加工品を買取りジュエリーに加工しています。

また、HASUNAでは多くのジュエリーに金チェーンを使っていますが、金属にもこだわっています。ペルーの金鉱山から金を1g(4000〜5000円)買取ると1gあたり2.5ドルが現地の学校に寄付されたり、インフラ設備に投資さている仕組みの元に調達を行っています。

このようにHASUNAは社会や環境に配慮した原料を調達しながら様々なジュエリーを生み出し続けています。クリスマスが近づきプレゼント用に買われていく方が増えているようですが、白木さんはジュエリーの魅力を世代を超えて何世代も受け継がれていくことだと言います。親から子へ受け継ぐことができるもので、そうしたジュエリーには特に心がこもるのだそうです。

「HASUNAを立ち上げるまでの話」
白木さんは両親の影響を受けてファッション業界で働くことに憧れを抱きますが、両親に業界の現実を知らされ、一度夢を諦めてしまいます。目標がなくなり、大学受験に活力を見出せない時に戦争経験者で旅好きの祖父から色々な話を聞いているうちに海外に憧れを抱くようになり、短期大学で貧困についての研究をするようになったそうです。学校ではフォトジャーナリストの桃井一馬さんの講演を聞く機会があったそうですが、貧困、環境、密輸、森林伐採、熱帯雨林など、この世の不条理や社会課題を実際に目の当たりにした人の言葉は何よりもリアルで、このとき強い衝撃を受けました。当時19歳だったそうです。

次にイギリスの大学で貧困問題の研究をすることになりますが、机の上で社会の上積みばかり勉強することに疑問を覚え、一年目の夏休みに実際にインドに行くことにします。アウトカーストと呼ばれる人々を探して2ヶ月で20箇所以上の村を回り様々な生活様式を目の当たりにしましたが、中でも特に印象に残ったのが、鉱山で採掘している人々やそれをトンカチで加工する人々の姿でした。それらの鉱石は大理石や電化製品、ジュエリーの材料になる鉱石であり、私たちの生活にも密接に関わっているものです。それにも関わらず1日1食しか食べられない日や、学校に行けない子どもたちが存在するなど、困窮した姿がそこにはありました。

私たちの生活に密接に関係する鉱石だからこそ矛盾を感じざるを得なかった。
解決策を求めて国連で働いたり、大学で研究を続けたりしたが、資本主義が存在する限り現地住民のリアルなところは救えないのではないかと考えるようになります。
そこで、ビジネスの仕組みを変え、現地の人たちが笑顔で幸せになれるようなジュエリーブランドができないかと考え、26歳の頃に起業することにします。

「企業についての話」
しかしこれにはいくつかの課題がありました。
まず、職人や鉱山といった宝石の取引先を探さなければならなかった。
情報を求めて東京のジュエリーショップを回ったが、どのお店もどこの鉱山から鉱石がやってきたか答えられる人がいなかったそうです。

そこでSNSの掲示板で情報収集してみたところ、鉱山に関する様々な情報が集まりました。中米のベリーズで青年海外協力隊として働いていた友人の友人のそのまた友人に貝殻の研磨職人さんの情報を教えてもらい、1ヶ月後くらいに会社を休んで現地に会いに行った。そんなことを繰り返しながら繋がり作りを続けていきました。

次に大変だったのが起業資金です

知り合いやエンジェル投資家から出資してもらったり、良い会社を作りましょうという方針をうちたてる鎌倉投信から出資をしてもらったりしました。また、信用金庫によっては社会起業家に低金利でお金を貸しているところもあるのでそこにも出資してもらったり、様々な方面から創業資金を確保していきました。

強い組織づくりにも尽力します。
出産が近づき、会社にいる時間が少なくなるにつれて白木さんは自分がいない間の会社経営に少し不安を抱きながらも、経営を社員に全任させることで、社長がいなくても回していける強い組織づくりを目指すことにしました。

突破口は先輩起業家の存在が大きかったと白木さんは言います。会社を経営をしていると夜逃げしたくなる瞬間も少なくないが、先輩経営者やメンターの方にサポートしてもらったおかげで様々な危機を乗り越えてきたそうです。困っている時に人に助けを求めることも経営者の手腕にかかっているのだそうです。

このように様々な困難を乗り越えて現在のようなエシカルジュエリーストアを築き上げ、現在も世界中の人と一緒にエシカルな物作りをしています。最近は新規事業立ち上げのためにヨーロッパ中を渡り歩いているそうで、今後どんなエシカルを提供してくれるのか楽しみですね!

ということで、エシカルコンシェルジュ講座レポート、今回が最終回になります。
これまでの講座、いかがだったでしょうか。僕もこの8回の講座で様々な方とお話しさせていただき、とても楽しく刺激的な思い出を作ることができました。講座が終わってしまうのは少し寂しい気もしますが、エシカルな社会に向かって活動を続けていれば、またいつか皆さまとご一緒できる機会があると信じてこの先も頑張っていこうと思います。

最後になりますが、晴れてエシカルコンシェルジュになった皆さま、並びに講座受講生のみなさまのご健勝をお祈りして、お礼の挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました!!

エシカル・コンシェルジュ講座は、来年春に新しい連続講座がスタートいたします。詳しい情報は、来年に入ってからアップしていきますので、こちらの公式サイトからチェックしてください。