2018春 エシカル・コンシェルジュ講座第四回レポート

こんにちは、メディア・コミュニケーターの桑原です。季節の変わり目で気温の変化が著しかったり、暑い日が続いたり体温調整が大変です。ワールドカップを観ていて寝不足になり、熱中症になる人も多いそうなので、こまめな水分補給と体調管理をしっかりと行なっていきましょう!

さて、第4回目の講座ではETHICAL FASHION JAPAN代表の竹村伊央さんから【私の服は誰がつくったの?ファッションで考えるエシカルな形】をテーマにお話しいただきました。

エシカルファッションというと海外のものというイメージが強いですが、本格的に興隆し始めたのは2003年頃のことで、日本では2011年の東日本大震災以降に注目されるようになりました。

竹村さんは幼い頃からファッションに強い興味があり、高校時代から服飾系の学校に通っていました。高校を卒業するとすぐに渡英し、イギリス発ファッションブランドでエシカルファッションムーブメントをリードしてきたブランドの一つ「Junky Styling」でのインターンシップを経験します。2003年から2006年にかけては大学でFashion Promotion Illustration科を専攻し、ビジュアルコースやビジネスコースでファッション業界を志ながら勉強しました。フリーのファッションスタイリストとしての活動も顕著で様々な媒体の雑誌に参画するなど日本でエシカルファッションが注目される以前から既に自身の作品を作っていました。2007年にはエシカルファッションブランドを使用したスタイリング雑誌「Sublime」のファッションページを担当していました。
2010年に日本に帰国すると日本で「エシカルファッションを『当たり前』に」を合言葉に、2012年から自身でEthical Fashion Japanを立ち上げました。

一般的に洋服は栽培→紡績→染色→デザイン→縫製→販売→消費者という長いプロセスを経てようやく製品化され、私たちの手に届きますが、こうした長いサプライチェーンの中では一部の人の利益のために、安売りや買い叩きが発生し、末端の生産者の多くがしわ寄せを受けてしまう問題があります。

エシカルファッションジャパン(以下EFJ)ではこうした問題を解決するためにエシカルファッションを定義する9つの指針を設定しています。

① 不当な労働環境/フェアトレード
問題点:不当な労働環境
グローバル化する経済のしくみにより、経済的に弱い立場の途上国との上下関係ができたことから、強制労働や児童労働といった搾取労働が起っている。
解決策:フェアトレード
対当なパートナーシップに基づいた取引で、不当な労働環境をなくす。①認証を受けたフェアトレード②十分な生活資金や適切ではたきやすい労働環境を確保する。などが含まれる。

② 環境汚染/有機栽培
問題点:環境汚染
生産過程で使用する農薬など化学薬品等の影響で土壌や周辺の環境そして、生産者自らの健康被害が起っている。
解決策:有機栽培
有機栽培で生産された素材のこと。原則、製造工程を通じて認証機関や国家が設けた原則な基準と実地検査をクリアしたものを指す。

③ 大量生産大量消費/廃棄回収と使用
問題点:大量生産大量消費
国内で発生する繊維廃棄物は年間で170万トンともいわれており、全廃棄物の2%を占める。未使用の布や衣料の方が使用済みの衣料より多く無駄が出ている現状がある
解決策:廃棄回収と使用
捨てられるはずだったものを活用する。「アップサイクル」とは質の向上を伴う再生利用のこと。

④ 使い捨て文化/持続可能素材 
問題点:使い捨て文化
使い捨て文化の定着により、再利用されずに新しいものを使用する傾向か強くなっている。そのスピードは日々加速し、ごみの量が増え続けてている。
解決策:持続可能素材
持続可能で環境負荷がより低い素材を活用すること。生地では特にリサイクル繊維、エコな科学繊維、エコ加工を取り入れることを指す。

⑤ 伝統工芸の衰退/伝統技術
問題点:伝統工芸の衰退
近代化とともに海外生産・機械化による大量生産が主流になり、文化とともに、伝統技術が世界各地で衰退している。また伝統工芸師の継承者も育っていない。
解決策:伝統技術
各国の伝統的な技術を取り入れ、文化を含めて未来へ伝える取り組みのこと。①熟練の職人による制作②伝統的な技術を取り入れる③ヴィンテージ品の活用を指す。

⑥ 海外生産の増加/地域生産 
問題点:海外生産の増加
アパレル産業のサプライチェーンにおいて海外移転・依存が高まるにつれ、産業の空洞化、それによる技術の流出が問題視されている。また日本国内では主要都市に人口が集中し、地方の過疎化が深刻化している。
解決策:地域生産
「MADE IN ○○」のこと。地域に根ざしたものづくりで地域産業・産地を活性化させ、雇用の創出、技術の伝承と向上を指す。

⑦ 動物虐待/動物配慮 
問題点:動物虐待
ファッション製品の使用される毛皮や皮などは、本物が高価な値段で売買されている。こうした需要の高まりとともに、命を落とし破棄される動物が増えていく現状がある。
解決策:動物配慮
なんらかのかたちで「ANIMAL RIGHTS (動物の権利)「ANIMAL WELFARE (動物の福祉))に配慮した製造を指す。

⑧ 二酸化炭素排出、ごみ問題/ごみ排出削減
問題点:二酸化炭素排出、ごみ問題
輸送時に排出する二酸化炭素の増加。また、生産過程が多いのがアパレル産業の1つの特徴ですが、この中で当たり前のように出しているゴミや無駄が改善できるのではないか?という提案。
解決策:ごみ排出削減
製造工程や着用時での無駄を削減する。カーボンフットプリントの削減,3Dプリンティング技術,ゼロ・ウェイスト・デザイン,着用時のCO2を削減する取り組みなど。

⑨ 格差社会/社会的貢献、寄付
問題点:格差社会
格差の広がりによるしわ寄せが立場の弱い人々に押し寄せ、国内外問わず貧困問題が深刻化しています。 
解決策:社会的貢献、寄付
チャリティーやボランティアなど。NPO/NGOへの寄付(物資・金銭)ビジネスモデルを生かしての支援・雇用創出など、自社のリソースを生かした取り組みのこと。

廃棄されるものを新しい製品に作り変えることをリサイクルと呼びますが、元の製品の特徴を活かして高品質の製品に作り変えることはアップサイクルと呼ばれます。破けて使い物にならなくなった軍用パラシュートから生地を切り出し、カジュアルなバッグやハンモックに作り変えることができます。人の命を預かるパラシュートだからこそ、かなりの強度が期待でき、これが付加価値となります。

フィリピンで活動するNGOでは貧困層の人々が廃棄されたジュースの容器でポーチを作っているところがあります。ジュースのパッケージデザインを活かした可愛い外見と、貧困地域に雇用を創出することができることが付加価値となっています。

ダウンを洗って布団に入れて使い直すというグリーンダウンプロジェクトやポリエステルを繊維にしてTシャツにするなど、使い捨てを減らすために活動する企業も続々と誕生しています。

ファクトリエでは日本の伝統技術を活かし、アパレルの国内生産率を復活させたいという思いからメイドインジャパンのものづくりをしています。

andu ametでは人々が羊を食べた際に廃棄される皮を使って、ポーチやカバンを作っています。グッチやアルマーニでは毛皮は一切使わないことを宣言しており、この動きはエコファーとして日本でも少しずつ浸透している。

エシカルファッションをめぐる取り組みは近年続々と誕生しており、日本社会にも少しずつ浸透しつつあるようです。

SNSやメールを媒体として洋服の生産背景を尋ねる「Who Made My Cloths」というキャンペーンは2013年に起きたバングラデシュの縫製工場の崩落事故がきっかけに始まりました。行き過ぎたファストファッションに警鐘を鳴らす運動で毎年4月24日の週に行われます。このアクションは2018年には日本を含めた90カ国で行われました。世界では103,000のSNS投稿がポストされ、毎年参加者が増加するとともに、参加国もどんどん増えているのだそうです。
皆さんも生産背景について関心を抱き、「Be curious, Find out, Do Something」を合言葉にファッションレボリューションに参加してみてはいかがでしょうか。

そのほか、自分がエシカルコンシューマーになるためにどのようなアクションができるのか、受講者同士で話し合い、意見交換をしました。

新しいものを買うだけでなく、今あるものを大事に使ったり、借りたり、交換したり、古着を選んだり、自分で作ることでも手に入れることができるなど様々な意見が出ました。エシカルコンシューマーではエシカルな消費行動5つを難易度順に分類しており、いくつかの意見はこれに近しいものがあると竹村さんは言います。
① 自分の持っている服の価値を理解し、ケアをしよう
② ベターな選択をし、買い物の量を減らしましょう。自分が100%好きなものだけを買おう。
③ 丈夫で長持ちするクオリティーの高いものを買いましょう。
④ 古着やヴィンテージを買いましょう。
⑤ エシカルなブランドをサポートしましょう。

今回の講座ではエシカル消費をするための指針やエシカルアクションの共有を行うことができました。講座参加者の方はすでに行動を起こしている人がほとんどかと思いますが、今後はまた別の視点を持ち、新たなアクションに結びついたら幸いです。

さて、次回は国際環境NGO 350.ORG ジャパン代表の古野真さんをゲストスピーカーにお招きし、「エシカル金融と地球温暖化」についてお話いただきます。

前回の講座では銀行に預けたお金が衝撃的な使い道をされている(かもしれない)ことについてお話くださり大変好評な講座でした。今回はどのようなお話を聞くことができるのか僕も今から楽しみです。

では!


9/25 代表末吉、登壇トークショーのお知らせ

2016年11月に「はじめてのエシカル」を出版して以来、初めて蔦屋書店でトークショーに登壇いたします。場所は中目黒の蔦屋書店。その貴重な機会を与えてくださったのが、とても素敵なエシカルブランド、Liv:ra代表の小森優美さんです。小森さんと共に、「次世代のファッションの在り方〜日本の古き良き時代から学ぶファッションの新しい可能性〜」というテーマで、お話します。ぜひ皆さんに来ていただきたいです!お会いできるのを楽しみにしています。

日にち
2017年09月25日(月)
時間
19:30〜20:30 (20:30〜サイン会)
場所
Share Lounge
参加費
¥1,000(税抜)
申し込み方法
中目黒 蔦屋書店店頭 or お電話にてご予約
下記チケット購入サイトhttps://www.ticket-mngt.net/te/pt1/170925NAKにてご予約ください。

ホームページ
http://real.tsite.jp/nakameguro/event-news/…/09/post-17.html


エシカルファッションショー東京2016@開催のお知らせ!

 2016年11月19日(土)、有楽町の東京国際フォーラムで約3万人が来場予定の「第1回ORGANIC FORUM JAPAN−オーガニックライフスタイルEXPO」メインステージにおいて、エシカル協会(www.ethicaljapan.org)が企画する「エシカルファッションショー東京2016」が行われます。

 皆さんが今着ている洋服は、どこで、誰が、どうやって作っているか、タグを見ただけで分かりますか?私たち消費者が製品を手にした時、その裏側にはどんな背景があるか、なかなか知ることができません。もしかしたらその背後には、劣悪な環境で長時間働く生産者や、教育を受けられず強制的に働かされている子どもたち、美しい自然やそこに住む動植物が犠牲になっているかもしれません。私たち消費者は、製品の値段や機能性、トレンドだけでなく、そういったことがないような「エシカル」な消費を意識的にしていくことが必要となってきています。近年、エシカルなファッションブランドが数々登場しているので、それらを紹介し、より多くの人にエシカルなファッションの魅力をお届けします!皆さんと会場でお会いできることを、楽しみにしています!

 
<ファッションショー日時>
イベント名:オーガニックライフスタイルEXPO2016
日時: 2016年11月19日 13:00〜
場所: 東京国際フォーラム@有楽町 メインステージ

企画・運営・演出:一般社団法人エシカル協会
協力:NPO法人FTSN関東

オーガニックライフスタイルEXPO

ご協力いただくブランド(アルファベット順):
LEBECCA boutique
Liv:ra
NADELL
パタゴニア
ピープルツリー
SANYO
THE BODY SHOP


フェアトレード・コンシェルジュ講座第5回目開催!

 フェアトレード・コンシェルジュ講座第5回目は、ファッションジャーナリストで、いまや“エシカル”ファッションをリードする第一人者である生駒芳子さんを講師としてお招きしました。当日は急遽参加を希望なさったたくさんの方たちが集まり、大変な熱気の中、講義が行われました。Read More


小田急百貨店「エシカル&スローライフフェア」とトークショーお知らせ

エシカル協会は、小田急百貨店(新宿店)で3月23日(水)〜29日(火)まで開催される「エシカル&スローライフフェア」において、お客様に「エシカルとは何か」を分かりやすくお伝えするために、ご協力させていただいております。また期間中、3月27日(日)16:00〜、末吉里花がエシカルな暮らし方についてトークショーを行います。Read More


エシカルコミュニティ法人会員に株式会社Abby

 エシカル協会は私たちの理念に共感してくださり、共にエシカルな社会づくりを実現していくために、コミュニティに参加してくださる法人会員と個人会員を募っています。この度、エシカルコミュニティの法人会員に、株式会社Abbyが参加してくださいました。Read More