2018春 エシカル・コンシェルジュ講座第六回レポート

みなさんこんにちはメディアコミュニケーターの桑原です。いよいよ夏休みに入り、行楽シーズン到来です。皆様は今夏のご予定はもうお済みでしょうか?

さて、今回は国際環境NGO350.ORG ジャパン代表の古野真さんにお越しいただき、エシカル金融と地球温暖化についてお話いただきました。これまで買い物を通じてサプライチェーンの裏側にある問題を解決することを中心に講師の方からお話がありましたが、今回の講座ではお金の預け方についてのお話でした。

350.orgは気候変動の深刻な影響を回避し、安全で公平な社会を実現することを目標に、2008年に米国の大学生によって結成された団体です。現在は世界20カ国以上に支部があります。古野さんは3年前に日本支部を立ち上げ、「市民の力」「お金の流れ」「エネルギー転換」に焦点を当て、エシカル金融、ロビー活動、セミナーや勉強会など幅広く活動しています。

さて、これまでエシカルを様々な社会問題や、ソーシャルアクションに結びつけて学んで来ましたが、イギリスのエシカルコンシューマー主筆のロブ・ハリスン氏によると「エシカル消費」をムーブメントにした活動には5つのステップがあり、それぞれ①バイコット②調査③エシカルな企業との連携④認証ラベル⑤ランキングなのだそうです。

ご存知の通り、バイコットはエシカルでない企業の商品を買わずに、社会、環境、人に配慮した製品を積極的に買っていくことを言いますが、私たちが銀行に預けるお金がどのように使われるかについて考えたことがある人はいるでしょうか。

通常、私たちが銀行にお金を預けると、銀行が厳選した企業に融資されていき、その配当金が利息というかたちで私たちの講座に入金されるようになっています。この利息を生みだすために銀行ではあらゆる企業や事業に融資が行われているのですが、私たちが実際に投資先を知ることはありません。私たちが知らないところで私たちのお金が環境破壊を生み出しているかもしれないのです。

そこで350.org ジャパンは日本の銀行の融資状況について調査を行いました。
日本の197団体が融資の引き受けを通じて、石炭や石油ガス会社、原発リスクに関わる融資を行なっている銀行を調べたところ、みずほ銀行は化石燃料に3兆円を貸し出していたことが明らかになりました。これは東京オリンピックに匹敵するほどの金額です。また、みずほ銀行や三井住友銀行なども原子力発電関連事業に融資を行なっていたことが明らかになったのです。

こうした融資はときに遠く離れた国の人々の生活を苦しめることになります。例えば米国の企業、ダコタアクセスは先住民が住む土地、そして彼らの水源となっているミズーリ川に石油パイプラインを通そうとしています。このパイプラインが完成すれば、何千人もの飲み水が汚染されることになります。
残念なことに三菱UFJ並びにみずほ銀行は2016年8月2日、部族がパイプラインの停止を求めて訴訟を起こした6日後にこのプロジェクトへの多額の融資に調印しています。

自然資源に恵まれたベトナムでは、外国の投資家や企業にとって魅力的な場所として、数多くの石炭火力発電所が建設されています。一方で、発電所から排出される石炭灰の塵は地域の環境やそこに住む人々の健康を苦しめ、廃棄物の海への投機が海洋生物や食べ物を汚染しています。一部の人の利益のために慎ましく生活を行なっている現地民が犠牲になっているのです。残念なことにこちらではJBICや東京三菱UFJ銀行がビンタン石炭火力発電所に融資、JBIC・みずほ銀行・ソシエテジェネラル東京支店がハイフォン石炭火力発電所に共同で77億円もの巨額の共同融資をしています。

こうしたお金の出所は私たちが銀行に預けたお金であるので、もはや他人事ではありません。一人一人の意識が変われば、こうしたエシカルでない事業への融資はなくせるのです。とある銀行のCSR担当によると、こうした事業が可能なのは現地の環境法令には触れていないため、融資としてはなんら問題がないそうです。しかし大規模な融資を決定する際には該当地域のコミュニティに確認を取ることが条件になっており、国の利益のためか、そのコンサルテーションが行われないまま開発が進んでいる現実があります。

こうした状況を変えるために再度、受講生同士での話し合いが行われ、まずは自分の意識を変え、身近なところから変化を訴えることが必要だという意見や、預金に限らずに、アルバイトや学費などの振込先口座を変えてもらうようなアクションも可能という意見が出ました。

国連環境計画からも世界の平均気温上昇を1.5~2℃未満に抑えるという目標を達成するためには、石炭火力発電所の新規建設をやめ、既存施設も早期に閉鎖することが極めて重要だと発表されています。

石炭火力発電への融資制度はもはや世界の潮流となっており、緩厳はありますが、ヨーロッパの銀行の多くが廃止を目指して何かしらの方針を定めています。一方で邦銀の多くに方針がありません。

私たちにできることは、環境や社会に有害な事業に融資しないように声をあげ、エシカルな事業に融資している銀行にお金を移すことです。これはダイベストメントと呼ばれるアクションで、地球や社会に優しくない事業との関係を打ち切ることでより持続可能な世界を築こうとします。主に化石燃料や原発からお金を引き上げるこの運動は世界中で行われており、これまで個人から団体まで幅広くアクションがされてきました。教育、宗教、財団、都市、保険、年金などなど、世界76ヶ国、893団体 約680兆円がダイベストされました。

ここで私たちにできることを考えるために受講生同士で再度グループワークを行いました。テーマは①「地球にやさしい銀行選び」に参加するとしたら、どこから始めますか?②周りの友人・家族・学校・職場で広めるなら、どのように人に伝えますか?というものでした。みなさん質の良い議論ができたようで様々な意見が飛び交いました。

●銀行融資が化石燃料に結びついているのは、今回の話の一つの切り口で、水力発電ですら環境負荷があるように生産するにはエネルギーを要します。そういうものを総合的に評価してくれる基準のようなものがあれば、理解されやすくダイベストメントも進むのではないかと思います。

●ただ配布資料を見て闇雲に環境に優しい銀行を選ぶのではなく、自分自身でその銀行が環境、社会、人のどこに厚みを置いているのかを理解することが大切なのではないかと思った。また、人を変えることは容易いことではないので、まずは自分から変化を起こし、インフルエンサーのような存在になれたらと思う。

●三大バンクもCSRレポートを見ると社会的に素晴らしい活動をしているので、そういう二面性も理解することが重要なのではないか。

●今の時代、お金を上手に使うのも難しいし、上手に預けるのも難しい時代になりました。預けたお金を意義のあるものに使い、「生き金」にすることで初めてお金が社会性を持つのだと思う。何を買うかも大事だが、どう使うかを考えたい

●ゲーム感覚でお金に関することをしっかり考える教育が進めばいいと思う

ほとんど誰もが持っている保険や年金でも資産運用という視点では、このダイベストメントの活動に結びつきます。銀行に預けている預金だけでなく、投資信託でもESG投資を意識することで、地球温暖化や生物多様性、従業員の健康や女性の活躍、公正な競争などに貢献することができます。

ダイベストメントは①銀行を選ぶ ②口座を乗り換える ③ダイベストメントの報告のスリーステップでできるので、すぐにでもできるアクションではないでしょうか。銀行選びには350.org ジャパンが公開している「地球にやさしい銀行?」のリストを参考にすると良いでしょう。ホームページでは著名な人のダイベストストーリーを見ることができ、講座ナビゲーターを務める末吉も掲載されています。

次回の講座は7月28日(土曜)
特定非営利活動法人おてらおやつクラブ代表理事、安養寺住職の松島靖朗さんにお越しいただき、【「てばなす」の実践 「おてらおやつクラブ」の現場から】 をテーマにお話しいただきます。

初講師ということで私もこれから楽しみです。


第七回エシカル・コンシェルジュ講座レポート

こんにちは、桑原です。
つんとした冷たい空気に、ひんやりとした風、吐く息も白く、もう季節はすっかり冬ですね。イルミネーションイベントもあちらこちらで盛り上がりを見せているようですが、みなさんはもうどこかに足を運ばれましたか?有名なハウステンボスの「光の王国」では壮大なイルミネーションを楽しむことできそうです。ここでは一日に3900kwhの電気を消費しており、 一晩で10万円の電気代がかかっているそうです。あれだけ多くの電飾を使いながら10万円に抑えられるのは全ての電飾にLED電球が使われていることが理由ですが、僕はこの省エネ効果に感動してしまいそうです。…って、こんな話しをされても女子はドン引きするだけなので、心の中で密かに楽しむことにします。笑

さて、第七回の講座では国際環境NGO 350.org JAPAN の代表である古野真さんにお越し頂き、「エシカル金融と地球温暖化」についてお話いただきました。

350.orgは気候変動の深刻な影響を回避し、安全で公平な社会を実現することを目標に、2008年に米国の大学生によって結成されました。現在は世界20カ国以上に支部があります。古野さんは2年前に日本支部を立ち上げ、「市民の力」「お金の流れ」「エネルギー転換」に焦点を当て、エシカル金融、ロビー活動、セミナーや勉強会など幅広く活動しています。Read More