花王株式会社
気軽に取り組めるエシカル消費の一つとして、洗剤やボディーソープやシャンプーなどの「つめかえ」「つけかえ」があげられます。すでに実践している方も多いのではないでしょうか。この取り組みが私たちの暮らしになじんできた背景には、企業の努力の積み重ねや込められた想いがあります。今回、花王株式会社様 をご紹介いたします。企業と私たち生活者一人ひとりのだれかが欠けてはならないもので、共に手を取り合ってこそエシカルな社会の実現に向けて前進できると信じています。
みなさん、こんにちは。花王株式会社で、ESG(環境、社会、ガバナンス)活動を推進するチームにいる大谷と申します。今日は、私たちが大切にしている「Kirei Lifestyle」について、取り組みを交えてお話しさせてください。私たちは、みなさん一人ひとりの「Kirei Lifestyle」の実現に貢献できる会社でありたいと願っています。それは何かというと、一人ひとりの暮らしが清潔で満ち足りた、こころ豊かな暮らしであるだけでなく、周りの世界もまたそうであることを大切にする、ということです。
花王は、皆さんに日々お使いいただく製品を開発し、お届けしている会社です。例えば、衣料用洗剤の「アタックゼロ」、食器用洗剤「キュキュット」、スキンケアの「ビオレ」、ヘアケアの「エッセンシャル」など、一度は手に取っていただいことのある製品もあるのではないかと思います。毎日使っていただくものだからこそ、少しでもエシカルに ー その取り組みの一つが、製品の「つめかえ」「つけかえ」です。花王が初めて、つめかえを発売したのは、30年前の1991年。それ以降、中身の性質や、使用場面を考慮しながら、包装容器を粘り強く技術改良をして、進化させることで、多くの方に受け入れていただき、使用していただけるようになりました。プラスチックは汎用性や柔軟性に優れており、私たちの便利な暮らしに欠かせません。しかし、海洋プラスチックごみの問題の原因となったり、石油由来の点で、課題があります。リサイクルは、もちろん重要ですが、それも環境負荷がかかります。そこで、まずは「使う量を減らす」ということに重点を置き、始めた取り組みが「つめかえ」「つけかえ」です。
そのプラスチック量を減らすために、薄いフィルムタイプの包装容器の開発を進めると同時に、内容物の濃縮化に成功することで、製品そのものをコンパクト化し、製品価値を上げながら、容器に使う素材の量を減らしてきました。2016年には誰でも簡単に中身を残さずつめかえられる、つめかえ容器「ラクラクecoパック」を発売しました。また、昨年から、この「ラクラクecoパック」を本体そのものとして使用できる「スマートホルダー」もご提案し、楽しく、つめかえる手間も省くことができる製品も提供しています。
実は、みなさんが、日々の暮らしでつめかえてくださることは、Kirei Lifestyle の実現につながっています。つめかえるということは、製品のコンパクト化やつめかえを何もしなかった場合と比べて、70%以上のプラスチック削減効果を生んでいます。メーカーである私たちの努力はもちろん欠かせませんが、こうして、みなさん一人ひとりが、日々行動してくださったから実現できている環境負荷低減であり、感謝の気持ちでいっぱいです。
つめかえに使われている、フィルムタイプの包装容器の弱点もあります。しっかりと中身を保護できるように強度を出すために、様々な素材を組み合わせて作られており、リサイクルがしづらいのです。そのことを認識し、フィルムをリサイクル可能にするための技術開発にも取り組んでいます。昨年9月にはライオンと協働でフィルム容器のリサイクルに取り組むことを発表しました。花王一社ではなく、業界をあげてとりくむことで、革新的な技術開発と社会で実践できるリサイクルへの道を開いていきたいと思います。
また、フィルム容器も資源になるという意識を高めるために、使用済みフィルム容器を地域で回収して、花王が確立した技術でブロックに再生し、地域のみなさんに還すという、「リサイクリエーション」(リサイクル(再資源化)とクリエーション(新たな価値の創造)を組み合わせた造語)の取り組みも進めています。「この活動を通じて、『使ったら捨てるのが当たり前』というのを変えていきたいんだ」と担当者がいつも熱く語っています。
メーカーである花王では、こうした「減らす」「リサイクルする」ことにこれからも一層注力していきますが、どの取り組みも、生活者一人ひとりのアクションが結果をもたらします。エシカルの主役は、私たち花王社員を含めた、みなさん一人ひとりの生活者であることを忘れずに、これからも努力し、ごいっしょにKirei Lifestyleをかなえていきたいと思います。
会社名:花王株式会社
会社HP: https://www.kao.com/jp/