ジビエを通じて、動物との共生や命をいただくことの原点を見つめ直してみませんか。
老山さくらさんのレポートをご紹介いたします。

こんにちは。9期エシカルコンシェルジュ学生企画に参加させていただきました、老山さくらです。みなさんは、鹿肉を召し上がったことはありますか?現代では、鶏肉、牛肉、豚肉などの家畜が食肉として主流であり、野生の命をいただくジビエという考えは一般的ではありません。私自身も、野生の動物を食べるために殺すなんてかわいそうだし、そもそも鹿を食べることに抵抗がありました。しかし以前、私の憧れの方が「ジビエは、今の日本では必要不可欠。お肉を食べないことだけがエシカルな選択ではない。」そんな事をおっしゃっていました。その言葉の背景が知りたくて、10月長野県蓼科で開催された縄文時代の食体験にタイムスリップする旅、「The primitive」に参加したので、今回はこのイベントで体験したジビエとエシカル消費のつながりについてお話します。

この日いただいたのは、2、3歳くらいの子鹿。その理由は、気候変動によって鹿がこれ以上増えないように幼い命から減らすことが重要だとおっしゃっていました。本来であれば、厳しい寒さの冬を越せない子鹿がいるのに対して、暖冬の影響により急速に増えるニホンジカは、森の栄養源を食べ尽くし、それによって土砂崩れなどの被害も多発しているそうです。実際に鹿肉を食べた感想は、臭みも全く無く、脂身が少ないのに柔らかくすごく美味しい。また、タンパク質や鉄分も豊富で栄養満点。本来なら、捨てられてしまう命がこんなに美味しく、また健康にもいいと知り衝撃を受けました。

エシカルコンシェルジュの講座の岡田さんの授業を受講して以来、お肉をいただくことに私は少なからず罪悪感を抱いていました。そんな時に「ジビエ」という考え方に出会い、お肉を食べる事に対してうしろめたさからほんの少し解放されたように思います。悲しいことに、森林保護や生態系を守るため捕獲された鹿のうち、90%は産業廃棄物として廃棄されているそうです。家畜、野生、命をいただく事のありがたさにどちらも変わりはありませんが、人間の食用のために狭いゲージの中に閉じ込められるのではなく、野生のまま成長した命をいただくことは、本来の私たちの「食べる」ことと「生きること」の原点であり、古来から続く自然のあり方を立ち返るきっかけになりました。最近は、ジビエが体験できるレストランやレトルト商品などもあるみたいなので、気になる方は是非試されてみてください。

老山さくら
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