「孫の世代により良い世界を」。おじいさまから受け継いだモットーを胸に、鹿の命と地域社会に向き合いながら活動している学生起業家、エシカル・コンシェルジュである渡辺さんをご紹介いたします。

(2010年の3月18日、渡辺さんの誕生日を祝う祖父母)

大学に入学するために、意気揚々と北海道から横浜に出てきた私は、何か意義のあることをしたいという熱い思いと、何かを続けることへの難しさと「こんなことをしてて良いのか」というような葛藤を絶え間なく感じていました。そんな時、突然の祖父の死が私の心に深い悲しみをもたらしました。80歳を過ぎてもスキーをするくらい元気で情熱的だった祖父の死を経験し、あらゆる希望が消え去るかのように感じました。悲しみを乗り越えるために少し振り返ってみると、祖父の生き様のおかげで、今の私が存在していることに気づきました。これによって私は、感謝と畏敬の念を覚え、「孫の世代により良い世界を」残すという決意を胸にしました。

(2010年の3月18日、渡辺さんの誕生日を祝う祖父母)

(2010年の3月18日、渡辺さんの誕生日を祝う祖父母)

ある冬の日、地元北海道で鹿が身近な課題として取り上げられることに気づき、興味を持ち始めました。そんな時、私はただの大学生でありながら、鹿の命に責任を持ち、地域社会に貢献できる方法を模索し始めました。

その過程で、鹿が捕獲されたまま廃棄される悲しい現実を知りました。これは、鹿のお肉以外の部位(副産物)が十分に活用されていないことが一因となっています。それと同時に、鹿の副産物を活用することが地域の課題解決につながることを知り、大きな感動と共に新たな希望が湧き上がりました。
これが私が鹿に興味を持ち、地元の課題に取り組むきっかけとなりました。心の中で燃える情熱と、祖父から受け継いだモットーを胸に、私は未来への希望を抱きながら、一歩ずつ前進していくことを誓いました。

そうして設立したディアベリー株式会社は、鹿の利用率を向上させることを目標としています。具体的には、鹿革製品やITシステム、残渣の減容化装置を開発し提供する事業を通じて、地域の資源を有効活用し、人と森の関係性を再構築することが出来ると考えています。

(左がオンラインショップで販売している鹿革製品、中央が開発中の鹿トレーサビリティシステム、右がIoT堆肥化装置に内臓を投入する様子)

この活動は達成率366%を達成したクラウドファンディングから開始し、環境省や神奈川県、横浜市や埼玉県横瀬町などとの共同事業や実証実験への採択をいただき、横浜国立大学発ベンチャーやオルタナサステナブルセレクションを受賞させて頂きました。

私たちは、鹿の魅力を多くの人に届け、昨日のゴミが明日の宝に変わる仕組みを実現し、地域社会に貢献します。そうして、私たちは今を自由に生きる人間として「命に責任を持つ社会」を目指していきます。応援をよろしくお願いいたします。

ディアベリー株式会社
代表取締役 渡辺洋平

ディアベリー株式会社HP: https://deervery.com/
ディアベリー株式会社 Instagram: https://instagram.com/deervery.official
Twitter: https://twitter.com/sika_kun