INTERVIEW

株式会社Innovation Design

社員全員が所属する「サステナブルデザイン室」の発足、社員全員の肩書きに「サステナブルデザイナー」、全ての経営判断の軸が「環境、社会に配慮されているか」。社員一丸となって、それぞれが主体的にサステナビリティに取り組んでいるInnovation Designさんをご紹介いたします。会社全体がどのような経緯でここまで変わってきたのか、そのターニングポイントも教えて頂きました。

弊社 Innovation Designは、「ひと と 地球の未来を描く」をヴィジョンに掲げ、物販事業、飲食事業、コンサルティング事業の3つの事業を通して、社会課題の解決を目指しています。サステナビリティに取り組むきっかけになったのは、2019年末に出会った1枚のドライフルーツを作る農家の方との出会い。
そこから、会社のヴィジョンも変え、昨年1年間で、社員一丸となってサステナビリティの本質について学びながら、事業を進める土台を作りました。

弊社がサステナビリティに大きく舵を切ることになった、3回のターニングポイントについてまずはお話しさせていただきます。

1つ目のターニングポイントは、ドライフルーツを作られる農家の方との出会いです。そのドライフルーツは、畑や、青果市場で規格に合わず廃棄されてしまう農作物から作られたものでした。それらの農作物をドライ加工されるその農家の方との出会いから、「食品ロス」という問題を目の当たりにし、社会課題を学ぶきっかけとなりました。

「食品ロス」という問題をきっかけに、森林破壊や生物多様性の損失、貧困、水不足、海洋プラスチック汚染の問題など、様々な社会問題があることを知りました。
そこから、2020年の年始早々に、会社のヴィジョンを「ひと と 地球の未来を描く」と変え、全ての経営判断を「環境、社会に配慮されているか」を判断軸とすることとなりました。

2回目のターニングポイントは、2020年2月に開催された「サステナブルブランド国際会議」に参加したことです。そこではじめて、世界中の多くの企業が様々な社会問題に取り組んでいることを知ったことから、改めて社会問題を本質的に捉え、まずは弊社の既存事業のサステナビリティの推進を本気で誓った出来事でした。

3回目のターニングポイントは、「日本サステイナブルレストラン協会(※以下、SRA)」に加盟したことです。
昨今、SDGsやサステナビリティに取り組む企業は増えてきていますが、『SDGsって、社長とマネージャーだけがやっているものだよね』では意味がない。全員が下手でもいいから、自分の言葉で「Innovation Design が取り組むサステナビリティは…」と話せる状態にしないと見せかけになる。
そのような考えから、月に一回お店を休業し、1日かけてSDGsに関する勉強会を開催しました。
具体的に行ったことの1つが、SRAの評価項目に則ってのプレゼンです。
例えば、『平飼い卵を使っていますか?』という質問項目に対し、なぜ平飼い卵を買うべきなのかという、項目の背景にある社会課題についてプレゼンテーションを行いました。
あるスタッフは海洋プラスチック問題についてプレゼンをし、そのまま社内でペットボトル禁止を呼びかけ、マイボトルを普及させました。

そうして、社員全員の意識変容が見られたタイミングで、社員全員が所属する「サステナブルデザイン室」を発足し、社員全員が「サステナブルデザイナー」の肩書を持ち、自身の役割の中で、サステナビリティを追求し、行動し、自分の言葉で発信しています。

“自ら学び、できる事から行動する”
を大切に、全社員が楽しみながら、サステナビリティへの取り組みを推進しています。

しかしながら、まだまだ土台が出来たばかりの組織です。
今はまだ、店舗へ来てくださったお客様の「行動が変わるきっかけづくり」として取り組んでいますが、実際に行動が変わり、社会課題解決に向けてどれだけインパクトを残すことができているかを測定することができません。

弊社の取り組みから社会全体にいい循環をもたらすことが視覚化できる仕組み作りに今後は取り組んでいきたいと考えています。

会社名:株式会社Innovation Design
会社HP:https://www.innovationdesign.co.jp/