サティッシュ・クマールさんからのアドバイス、「ガーデニングをしなさい」。まずは自分の手を使ってみることで、この言葉の本質的なメッセージを体感できるかもしれません。瓜さんオススメの本も是非お手にとってご覧ください!

こんにちは、エシカル・コンシェルジュ講座10期生の瓜(うり)です。今回は8月にイギリスの田舎町トットネスにある小さな大学院『シューマッハカレッジ』に1週間滞在したお話をシェアさせて頂きます。

シューマッハカレッジは、『スモールイズビューティフル』という著書を書いた経済学者のE・F・シューマッハの名前と思想を受け継ぐ形で生まれた。グローバル経済の拡大により、物質的な豊かさは実現されてきたが、同時に生み出してきた代償についても目を向けること、そして自然と人が調和しながら、本当の意味での生きがいや幸せが溢れる暮らし・仕事を行えるような経済のあり方を示している本である。今回は、その大学院の創業者でもあるサティッシュ・クマール*さんも講義を行ってくれるということで参加した。

シューマッハカレッジは美しい自然のある小さな町に位置しており、そこに空間にいるだけでどこか心地よい。シューマッハカレッジでは、現代の教育で重要視されているロジックやメモリーではなく、人(動物)が本来持っている感性や感覚を養う授業が意識的に組み込まれている。エコノミー(経済)の前にエコロジー(生態系)を学ぶことを前提としていることはシューマッハカレッジの特徴の1つだ。その考えの通り、授業は自然の中で行なうことが多く、実際に林の中で焚き火を囲みながら、また時には体を動かしながら、持続的可能な新しい経済について語り合った。

シューマッハカレッジにおける食事に関しても特色がある。カレッジ内には広い農園があり、そこでは生徒たちが無農薬野菜を自分たちで育てている。土の寛大さ、種の尊さを自然と感じられる環境にある。そしてその野菜を使って生徒たちが交代制で料理を振舞う。あとから知ったのだが、作られていた食事は全てヴィーガン食であり、地球にも人にも優しい食事であった。ヴィーガンと聞くとどこか我慢をしながらやるものだと思っていたが、シューマッハカレッジでの食事は毎回美味しく、無意識のうちにヴィーガン食を楽しんでいた。自分たちの手で育て、自分たちの手で料理し、戴く食事は格別であった。

生きるガンジーことサティッシュ・クマールさんにもお会いし、貴重なお話を伺えた。彼は86歳であったが、誰よりもエネルギッシュで、よく笑い、少年のように常に目を輝かせていた。彼の教えは普遍的であり、本質的で、芯に響くものがあった。ラテン語の語源では“Nature”は“誕生”という意味であり、生まれきたもの全てが自然であると捉えられている、と彼は言っていた。そして僕ら人間もその自然の一部だという。一方で、僕らの日常の行動・生活においてそのような捉え方が出来ているだろうか。

エシカル・サステイナビリティ・SDGsなどの言葉を目にすることはここ数年で飛躍的に増えた。なんとなく言葉だけ聞くと難しそうな気もするが、本質的には、全ては自然の一部であり、繋がっていることを感覚的に捉えることだと思う。自分たちの住む家(地球)をCareすること、その家に住む仲間(植物・動物・人間)をCareすることは考えてみたら当たり前で、何も難しい話ではない。エシカル協会のベースにある「エいきょうをシっかりとカんがえル」も同様のことだと思う。

サティッシュさんに「この混沌とする社会において我々はどんなアクションを取るべきですか」と聞いてみた。すると彼は一言だけ「ガーデニングをしなさい」と微笑みながら応えてくれた。そんな僕はガーデニングの出来るお家を今日も探してます。

【瓜哲史さんからのオススメ図書2冊】

・スモール イズ ビューティフル
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000150331

・エレガント・シンプリシティ: 「簡素」に美しく生きる
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000818832021.html