コンポストにご関心のある方、必見です!エシカル・コンシェルジュの樫尾さんから様々な方法を教えていただきました。ぜひ、ご自身のライフスタイルに合った方法で一歩を踏み出してみませんか?

コンポストで生ごみを「土へ還す」リサイクル

はじめまして、エシカルコンシェルジュ10期生の樫尾直美と申します。
皆さんのおしゃれなエシカルテーマのブログが並ぶ中ではありますが、「ごみ」について日頃思うこと、そしてコンポストについて書かせていただきます。

>「3R」の実行、日々のごみを減らすには?

環境配慮、ごみ問題に関するキーワードとしてよく耳にするのが、「3R」=Reduce(リデュース/減らす)、Reuse(リユース/再利用)、Recycle(リサイクル)。使える間は大事に使う、簡単に捨てるものはそもそも買わない、使えるものは再利用する/してもらう(譲る)、そして分別をすることでリサイクルに回す・・。自分もできることは実行しているのですが、生活をしていればどうしてもごみは出てしまいます。
日本の可燃ごみの約4割は家庭の生ごみだそうです。生ごみを可燃ごみに入れないようにするだけでも、それだけ可燃ごみを減らせるということですね。実家の庭には畑があり、生ごみは土に埋めていますが、現在東京のマンションで暮らす自分にはそれはできません。それならと、コンポストに興味を持つようになりました。(コンポスト/compost=「堆肥」「堆肥にする」。微生物の働きで生ごみなどを発酵させて堆肥にする道具のことも指します。)

>コンポストもいろいろ

様々なコンポストがある中、どれがいいのか決めかねていた矢先、SNSで知人がコンポストのキットの紹介をしていたので、早速試してみました。今はプランターに土を入れてコンポストにしています。そこに落ち着くまでにいくつか調べたり試したりしたものをご紹介します。

◆LFCコンポスト https://lfc-compost.jp/

バッグと基材がセットになって届きます。困ったらLINEで相談にも乗ってもらえますし、LFCの堆肥を持ち寄る回収会が定期的にあったり、イベントの案内なども届きます。わからないことだらけのスタート時にとても有難い存在でした。

◆生ごみ処理機

バケツのようなものから、電気を使う高価なものまで、値段も数千円から10数万円まで様々です。高性能なごみ処理機を使っている友人は、キッチンのごみが出たそばからポイポイと放り込んでいました。野菜などはカラカラの粉になるそうです。堆肥として使う予定や近所に回収場所が無くて可燃ごみに出す場合も、かなり分量は減らせます。

◆段ボールコンポスト

段ボールでできる手軽なコンポストです。基材として段ボールの中に入れるのは、腐葉土と米ぬかなど、発酵を促すものの組み合わせがいくつかあるようです。我が家では、米ぬかを知人の米農家からもらい(お米屋さんでももらえたりするようです)、腐葉土はホームセンターで購入して試してみました。結果的に下記のキエーロが一番気に入ったので段ボールコンポストは少し試して止めてしまいましたが、身近に材料が入手できる人は始めやすいと思います。

◆キエーロ

黒土を使ったコンポスト、我が家はこれに落ち着きました。参考にしたのが、キエーロです。http://www.kiero.jp/index.html 木箱に黒土を入れてふたを付けたというシンプルなもので、土の中の微生物がごみを分解してくれるようです。
オリジナルのキエーロは木箱ですが、検索していくとプランターで作ったキエーロの例もあったため、我が家ではプランターを使うことにしました。プランターに黒土を入れただけです。マンションのベランダまで飛んでくる虫もいないようなので、蓋もつけていません。これに落ち着いたのは、シンプルに「土に還す」感じが感覚的に気に入ったというのが大きな理由です。

(我が家のコンポスト)

プランターの面積6分の1ぐらいのところに1日分の生ゴミを埋めて、次の日は隣のスペースに・・と続けていきます。すると、約1週間でひと回りしてくる頃には、特に夏場はほぼ分解されています。寒い時期や生ごみを入れすぎてしまったときには分解が遅くなってしまうので、様子を見ながら、1か月間ほど別のプランターや段ボールで寝かせるなどしています。
コンポストのおかげで、生ごみを可燃ごみに出すことはほぼ無くなりました。

>行政の制度も活用

コンポスト購入に対して、補助金を出している行政もあるようです。ある友人は、購入しようとしたコンポストが補助金の対象外だったので、役所に提案をして対象にしてもらったそうです。対象外でもあきらめず交渉してみることで、ご自身のためだけではなく、地域のためになるかもしれません。
また、堆肥の活用についても推進している行政地域があるようです。

>堆肥の行き先は?

できあがった堆肥の活用が、また次の課題です。今は区民農園を借りていてそこで堆肥を活用していますが、契約期間後はベランダのプランターだけになってしまうので、回収場所を探しています。
堆肥の活用は、行政やその他の組織でも、いろいろな方法があるようです。行政による堆肥回収の実施や回収団体の紹介、小中学校の給食の生ごみの堆肥化と地域の農園での堆肥活用、堆肥を活用する地域団体の支援などです。また、地方の農家に堆肥を提供し、それを活用した野菜を東京で販売するという仕組みを展開している例もあるようです。身近に回収・活用してくれるところがあるといいですね。
今住んでいる地域の行政としては、資源リサイクルとして「土」は回収していても、堆肥は回収していないことがわかりました。ごみ処理に関する様々な検討はしているようなので、堆肥の活用について区に提案をしてみました。何か実現されるといいのですが。

>いつかは、「ごみ」の無い世の中に

毎日出る「生ごみ」も、土に還して土の栄養として循環させることができたら、これも立派なリサイクルの1つではないでしょうか。土に還せるものを使って消費して、土に還していけば、「ごみ」という存在はまだまだ減らせるはずです。
いつか、ごみを「ごみ」にしないことが当たり前になっていけばと思います。

樫尾直美