定年退職して保育士を目指しているコンシェルジュ・三浦さんからお話を伺いました。ご紹介してくださった「マザーツリー~森に隠された知性をめぐる冒険」、夏休み中にオススメの一冊です。エシカルな活動やメッセージが込められたレポート、ぜひご覧ください!

あくまでも一般的なイメージですが、いわゆるオジサンとエシカルはあまり結びつかないように思われるかもしれません。ですが、ちょっと自己紹介をさせていただきます。私は65歳で定年退職し、なぜか保育士を目指し保育士養成学校に通っているおじさんです。退職するまでは営業職で企業戦士として会社の利益を追い求め、家族を養うために必死に働いてきました。その後、14年にわたる海外駐在生活を経験し、退職後に地域や日本の社会を改めて見つめ直しました。「なんと変わり果ててしまったのか?」という感覚が強く、その中で大好きな子ども達が苦しんでいる姿を目の当たりにし、強い衝撃を受けました。保育の勉強を通じて「子どもは社会を反映し、子どもたちの行く末は未来の社会に大きく影響される」ということを理解しました。私自身は勝手に「子どものミカタ」と呼んでいますが、正直なところ、その言葉を使いたくはありません。しかし、多くの子どもたちが苦しんでいる現実を目にすると、素朴な心の持ち主である私は「彼らを守ってあげたい」という気持ちになってしまうのです。

前置きが長くなりましたが、ではオジサンとエシカルがどう結びついているのか?それは「すべての子どもたちが希望を持てるエシカルな社会に向けて、子どもを通じて社会を変容させていくお手伝いができればと願い、日々悪戦苦闘しているオジサン」ということです。私が考えるエシカルな社会とは、行き過ぎた資本主義のために失われてしまったものを取り戻すこと。それは私が子どもの頃にあった懐かしい良きものを、子ども達に伝えていくことです。私にとってはまさに「懐かしい未来」なのです。

斉藤幸平さんのいう「脱成長」を目指す社会、東さんのソーラーシェアリングでの不耕起有機農法で食育として子ども達とつくる野菜やみそづくり、障害を持つ子どもや不登校の子ども、外国の子ども達も含めた真の共生社会、永田教授のいう子どもたちが希望の持てる持続可能な社会を目指していきたいと思います。

私たち世代はある意味、今の社会をつくり上げた責任があります。そして、それを変えていく責任も残されていると考えています。

現在は保育の勉強を中心に、糸状菌を利用した有機農法(菌ちゃんファーム)や子どもたちを森などの自然に連れていけるように、キャンプ指導員の勉強もしています。

ついでと言ってはなんですが、エシカル講座の方々の影響を受け、ヴィーガンはハードルが高そうなので自称いわゆるフレキシタリアンです。(実態はテキトーなフレキシタリアン=テキトリアンです。)

最後に最近読んだ面白い本、「マザーツリー~森に隠された知性をめぐる冒険」スザンヌ・シマード著、を紹介したいと思います。

森の木々は菌根菌(糸状菌)を通じてネットワークを形成しており、まるで知性を持って栄養分や情報を分かち合い、助け合いながら生きているということを科学的に証明したカナダの女性生態学者の著作です。すごいのは、樹齢何百年もする「マザーツリー」と呼ばれる木は自分の子孫の木々を識別してネットワークを通じて栄養分を多く分け与え、また違う品種の木々にも栄養を与え、病気を治す成分を他の木々から受けたりする双方向の関係を持っていることです。子孫以外にも栄養分を与えているのは、子孫が他の木々に守られることがわかっているからであり、自分の子孫のために養分を提供しているのです。そしてまた、マザーツリーは自分が朽ち果ててきていても光合成でつくった養分を最後の最後まで分け与えようとしているのです。(この話だけでもオジサンは感極まってしまいます。)また、森は一つの品種だけでは長く持たず、多様性が重要でお互いに助け合う多様性に満ちた森ほど持続可能だとのこと。

これはまさにあるべきエシカル社会に通じる考え方であり、多様性に満ちたすべての人々が助け合い、子ども達も保護者の方々だけでなく、学校や地域や社会のみんなで育てていく姿ではありませんか?

私たちが森の自然に入ると、何となく感じるものがこの森の知性なのかもしれません。

ふと思ったのは、エシカル協会は私たちコンシェルジュ受講生にとってマザーツリーなのではないか?エシカルな社会に向けて生きるために必要な栄養分を与えていただき、ある時は仲間として双方向でつながっている。それを具現化している代表の末吉里花さんはまさに我々にとってのマザーツリーだと思いました。里花さんがこの前お会いした時に最近よく森などの自然の中で身を置き自分を見つめ直したりして英気を養っているというお話をされていたのを思い出しました。

私たちはつながっており、助け合い、そして若者や子ども達へバトンを渡すということが使命なのだと。このオジサンもマザーツリーである里花さんから渡された知性を子ども達を通じてバトンを渡すのが残された使命だということ、自分も子ども達の良きマザーツリーになってバトンを渡せたらなと思っています。

三浦 勉&AI
※最終チェック時、ChatGPTで添削されたそうです。